札幌定温運輸の社長・管理職メンバーで座談会を開催しました。
これまで歩んできたキャリア、管理職の立場で見た札幌定温運輸の今とこれからのこと。
社長と管理職社員4名に語り合ってもらいました。
01. これまでのキャリアと今
志藤
2012年に北海定温運輸に入社し、札幌定温運輸と合併後に営業課 係長に就任しました。お客様の想いを形にできるよう日々奮闘しています。今日は進行役を務めさせていただきます。ではさっそくですが、皆さんがどのような経緯でこの会社に関わり、キャリアを歩んでこられたのかお聞かせいただけますか? 社長からお願いします。
浦田
私の話をすると長いですよ(笑)。学校を卒業してすぐ、グループ会社の福岡運輸にアルバイトで入ったのが始まりです。体を動かすのが得意だったからね。当時の乗務員さんの待遇が良くて、「絶対に乗務員になるぞ!」と意気込んで、自分で大型免許も取りに行ったんだよ。
池田
社長がトラック運転手を目指されていたとは、初めて知りました。

浦田
そうなんだよ。それで「大型の免許も取りました!乗務員やらせてください!」って会社にお願いしたら、「ぜひ来てくれ。でも乗務員は今募集してないから、まずは事務職で待っててくれ」と。まあ、いずれなれるだろうと思っていたら、入社3ヶ月後の自分の誕生日に支店長に呼ばれてね。「おお、ついに乗務員になれる」と思ったら、「掲示板見てきなさい」と。見に行ったら「大阪転勤」(笑)。
渡辺
そんなあっという間にですか!?
浦田
うん。「向こうに行ったら乗務員になれるんですか?」と聞いたら、「大阪は乗務員が足りてないから、なれるよ!」と上司から言われて、「乗務員になれるなら」と大阪に行ったんだけど、実際に配属されたのは「配車係」でね。結局トラックには乗れずじまいで、現在に至る(笑)
一同 そうだったんですか!(笑)
浦田
大阪・東京・福岡・大阪と転勤し、最終的には福岡運輸 業務推進部の部長として会社全体の下支えをする仕事を10年ほどやって、札幌定温運輸の社長として来ることになって。来てみたら、みんな明るくてよかったよ、本当に!(笑)でも実際に来てみて見えたこともたくさんあった。札幌定温運輸として道内全域にたくさん届けたいというのが私の夢なんだよね。ものを届けることは、運送会社としては当然のことですから。ただ届けるだけではなく、その先に何ができるか、何が大切なのかを考える必要があると思う。お客様が丹精込めて作り上げた商品を、そのままの状態で届ける。その為には品質にこだわる、温度にこだわるということだよね。それを今、みんなに伝えていきたいと思ってるよ。
池田
品質、温度にこだわる。大事なことですね。私は平成8年、23歳の時に入社しまして29年になりました。長く札幌で業務部門(配車業務など)を経験した後、2016年に東京営業所へ転勤して2年間勤務し、札幌に戻ると同時にグループ会社の北海定温へ出向、今年の合併を機に、また札幌定温運輸に戻ってきたという経緯ですね。

渡辺
私はミレニアム入社、2000年です。異業種からの転職組で、転職活動中に札幌定温運輸の配車業務の求人があると知り、「配車業務って何をするんだろう?」と全く分からないまま面接を受けたのですが、次の日には「いつから来られますか?」と言われて(笑)。
池田
懐かしいな。ちょうど私が札幌営業所で配車をやっていた時に、渡辺が同じ部署に入ってきたんだよね。
渡辺
そうそう、同い年だけど師弟関係ね(笑)そこから今までずっとこの会社でお世話になっています。

三本松
私は、今年で入社10年目になりました。前職は東京のビルのメンテナンス会社に勤務し、清掃や警備、設備管理の保守管理などの仕事を10年ほどしていましたね。 学生時代から続けてきた競技を社会人競技者として続けていたのですが、競技の引退を機に転職を考え、縁があって会社を紹介いただき札幌定温運輸に入社しました。営業として配属されると聞いてはいたのですが…入社してみたら「配車」への配属でしたね(笑)さっき社長のお話にもありましたが。

渡辺
まあまあ(笑)営業をやるにしても、まず現場の仕事内容がわからないと始まらないからね。
三本松
今になって、それが本当によくわかります。最初は北海道発本州行きの配車業務をやって、その後は西日本発北海道行きも経験し、会社が今の体制になってからは札幌営業所の営業的なところと協力会社の開拓、あとは女性社員が増えたこともあり管理業務も行いながら、幹線担当社員のサポートも並行して行うなど、さまざまな業務に携わっています。
池田
配車の仕事って、会社の花形だから。本当に大事な仕事だよね。
02.管理職という立場で、大切にしていること
志藤
皆さんが管理職として仕事を進める上で「大切にしていること」についてはいかがでしょう?まず、私自身は常にお客様の願いを叶えたい、という想いが根底にあります。

浦田
お客様に対して大切にしていることはたくさんあるけれども、ここでは私自身のスタンスとして、社員のみんなに向けて意識していることを話しましょうか。まずは、「平等」かな。あとは、「情報共有」。そして「多角的な視点」かな。私がこの会社に来てすぐ、みんなが参加するミーティングの場を作ったのも、みんなで一緒に考えて、気持ちを一つにしないと良い仕事はできないと思ったからなんだよね。
あと、「多面的な視点」というのは例えば、「渡辺ってこういう人だ」と、一つの角度から決めつけるのではなく、もっとこんな面もあるかもしれない、こういうふうに考える人かもしれないと、様々な角度から見るように気をつけているね。
池田
新センターへ移転して、改めて「人とのコミュニケーション」の大切さを実感していますね。札幌本社はオフィスがとても広くなったから、以前のように隣の部署の話が簡単には聞こえてこなくなった。それぞれの仕事に集中できるといった良い面もありつつ、それぞれの机の近くまで行かない限り、メンバーの困りごとを以前より感じ取りにくくなったのも事実です。だからこそ、いざという時に困らないように、部下はもちろん、周りの人たちとしっかり対話をしておくことが重要だと、最近特に感じてますね。
渡辺
私は、みんなに「当事者意識を持って仕事をしてほしい」とよく言っているかな。「言われたからやる」のではなくて、「自分ごと」として仕事に取り組んでいるのか、と。具体的には、「逆の立場で考えた時、あなたはどう思う?」と、考えてもらう。そうすれば、一方的な発信じゃなくて、相手の気持ちを考えたコミュニケーションが取れるようになるからね。
三本松
渡辺部長はいつもそう仰っていますよね。本当に大事なことだと思います。私自身は、部下に何かをお願いする時に「3つの確認」を徹底するようにしています。一つ目は、指示した内容を本当に理解しているかの確認。「わかりました」と返事をしても、実は本人は分かっていないことが多いんですよね。二つ目は、期日までの進捗状況の確認、そして最後が、できあがりの確認です。この3つを丁寧にやることで、仕事の質が格段に上がると考えています。あとは、広くなったオフィスだからこそ、「声で伝える」ことも意識していますね。メールやチャットも便利ですが、「メール送っておきました」と一声かける。そういった些細なコミュニケーションが、結局は一番大事なんだと思います。
池田
配車の仕事って、会社の花形だから。本当に大事な仕事だよね。
03.札幌定温運輸の経営理念のこと
「ただ運べばいい」ではない。理念に込めた“品質”への想い──
志藤
皆さん、それぞれの立場のお話ありがとうございます。皆さんの想いやこれからの未来のことも込めて、先日「社是・企業理念・行動指針」が策定されました。改めて、この理念に込められた想いを社長からお伺いできますでしょうか。
浦田
この理念をなぜ作ったか。それはね、会社が大きくなる中で、私が一番伝えたい「品質」というものが薄れてしまうことがないように、と想いを込めたんだ。組織が大きくなると、どうしても効率化に目が行きがちになることがあるかもしれない。日々の業務を「回す」ことに一生懸命になって、「ただ運べばいい」「ただ届けばいい」という考えに陥ってしまわないようにしたいからね。

池田
効率だけを考えると、品質という目に見えない部分が後回しにされがちになる可能性があるということですね。
浦田
そうなんだよ。効率化することは、一見働く人にとっては短期的には楽になる面もあるかもしれないけれど、そこで品質が置き去りになっては元も子もない。一つひとつの判断が、結局は全て自分たちに返ってきてしまう。「これをすることによって、品質は保てるか?」といった想像力が大事なんだよ。だから、今こそ会社の根幹として「何が重要なのか」を明確な言葉にして伝え続けなければいけないと思ったんだよね。もちろん、時間通りに届けることも大切。でも、品質が落ちてしまえば仕事の意味がないよね。溶けてしまったり、崩れてしまった商品は、お客様とうちの会社両方の損失になります。それよりも、たとえお届けが翌日になったとしても、『最高の品質』のものをお届けするほうが、ずっとお客様のお役に立てると私は信じています。
そもそも、私たちのグループの創業者が冷凍車を作ったのは、戦後の食糧難の時代に「冷凍・冷蔵の技術があれば、遠くまで品質を保って食品を運んで、美味しいものをたくさんの人に食べてもらえる」と考えたのがきっかけで、創業者が「これは私たちがやらなければならない」と仕事を引き受けた。心を込めて作られた商品を、最高の品質を保ったままお客様に届けて、喜んで食べていただくことが、私たちの使命だからね。だからこそ、私たちは「品質」と「温度」に徹底的にこだわらなければならないし、そのこだわりがお客様からの「信頼」につながり、ひいては社員やその家族、子どもたちの「未来を守る」ことにもつながっていくと思う。だから、社是にはそういう想いを込めたんだよね。何が大切なのか、何を心にもっておかないといけないのか。ただ売り上げを上げればいいわけではないと思っています。
志藤
本当にそうですね。
浦田
・・・みんな神妙な顔になってるよ。しーんとならないでよ(笑)
一同 あははは(笑)
浦田
思いが強いの、私は(笑)
04.変化の道で描く、「未来への挑戦」
志藤
最後のトークテーマは「未来への挑戦」です。新センターも稼働し、会社として大きな変化の時を迎えていますが、皆さんが今後どのようなことに挑戦していきたいか、ぜひお聞かせください。まず、私自身は、「日々変化、日々挑戦」というのを心がけてはいるんですが、正直なところ、現時点では新しい挑戦ができていないのが現状です。今後は目標や仕事の中身をしっかり見直し、日々成長、挑戦していきたいと思っています。
池田
私が所属する管理営業部は、いわば「縁の下の力持ち」としての役割を担っている部署で、これからの挑戦としては、まず社内の業務効率化をさらに推し進めたいと考えています。新しいシステムをどんどん積極的に取り入れて、現場のみんながより働きやすくなる環境を作っていきたい。そして営業としては、この新しいセンターを満床にし、さらに多くの全国のお客様に私たちのサービスを伝えていきたいですね。

渡辺
7月にこの新センターへ移転したこと自体が、すでに大きな「変化」なんだよね。ハード面が刷新されたからこそ、働くみんなの意識もそれに合わせて刷新、進化していくことが大切だと思う。倉庫のキャパシティは6倍にもなったのだから、仕事の進め方も変えていくことができれば、きっともっとうまく進めていけるはず。今までのやり方に固執することなく、新しい取り組み方に挑戦し、仕事を再構築すること。これを諦めないことが大事だと思うし、私自身がそれを促していくことが役目だと思っています。

三本松
ずっと渡辺部長と一緒に働いてきて、部長のおっしゃる状況は日々感じています。二つの会社が一つになって、業務量が増えている分、これから挑戦すべきは間違いなく「業務のスマート化」だと思います。物流業界でもDXの取り組みが進んでいますし、受注段階からの業務改善をはじめとして、ホールディングス(福岡運輸ホールディングス)内での先行例も素早く取り入れて、変化させていければと思っています。受注入力のメンバーには、「斬新な提案」や「現場だからこそ気づくアイディア」をどんどん出してもらいたいと伝えているんですよね。知恵を出し合って、業務効率化を目指すことに取り組んでいかなければなりません。でも、私が本当に目指しているのはその先です。少し大きなことを言うかもしれませんが、「これはどこが最初に始めた取り組みなのか?」となったとき、「札幌定温運輸だ」となることが私の理想です。それを実現するには、やっぱりコミュニケーションですよね。みんなで話をしていけば、これからも色々な変化ができるはずだと思います。

池田
誰がその取り組みを始めたんだ?三ちゃん(三本松)だ!って言いたいよね。それ三ちゃんのアイディアになるよ(笑)
三本松
いえ、札幌定温運輸としてじゃないと、ダメだと思います(笑)
浦田
ぜひ実現したいね。経営理念にもこの言葉を入れたんだけど、「挑戦」というと、何かすごく大きなことを成し遂げなきゃいけないように聞こえるかもしれないけど、私はそうは思わないんだよね。挑戦っていうのは、本当に小さなことでいい。「昨日できなかったことを今日やってみる」とか、その程度でいいんじゃないかな。そうして小さな達成感を感じることができれば、「自分はもっとできる」と思えて、次の段階に進めるようになるんじゃないかと思います。
そして「変化」も、やみくもに変わればいいってものじゃないよ。私がいつも言っているのは「日々是改善」。常に改善していこうよ、と。これもちょっとしたことで良い。物を置く場所を変えた方がスムーズにいくと考えたら、それを動かすことも「変化」だし、物流・運送会社の習慣で改善した方が良いと思うものがあれば、それを少しずつでも変えていけばいい。
何でも良いから、ちょっとしたことに「気づく」ことが必要なのかなと思う。大切なのは、まず何に気づくかということです。改善するためには、しっかりと気づくことが必要だよね。何も考えたり感じたりしなければ、変化には気づけないし、改善もできないのだから。これが一番だね。毎日同じことをきっちりやるからこそ、小さな違いにも気づけるもの。だからこそ、毎日同じことをきっちりやるっていうことも大切なんですよ。
池田君がやっている部署(管理営業部)は、私がここに来る前にグループ会社で10年間やってきた部署なんですけれども、ここが一番気づかなきゃいけない部署なんだよね。注意深く見ておかないといけない。常に業務を見に行き、業務の声を聞く、日報を見る。そこで「なぜ、なぜ、なぜ、何が」と考え抜かないと変わらないから。だからこそ、ものすごく大切な部署なんですね。毎日の流れをそのまま見るだけでは絶対にダメなの。

池田
本当にそうですね。
浦田
なぜ、どうして?を、意識したいね。気づいた管理職が全部自分でやってしまっては、管理職としての仕事ができなくなってしまうから、部長、課長、係長、主任、それぞれの仕事を全うすることだね。担当者をまとめるという意味でも、それぞれの立場で気づき、考え、動いていく。皆さん一人ひとりが、その意識で仕事に臨んでくれることを期待しています。
05.未来の仲間へのメッセージ
志藤
社長、そして管理職の皆様、ありがとうございました。最後に、この記事を読んでくださっている未来の仲間へ、メッセージをお願いします!まず私からは、ひと言でいうと、「働きやすい職場」です。困ったことがあれば、必ず誰かが相談に乗ってくれる。みんなで一つの目標に向かって進んでいくところも、楽しいですよと伝えたいですね。
池田
私たち札幌定温運輸を含む福岡運輸グループは、創業者の富永シヅさんが、米軍から冷凍食品の輸送の依頼を受けた際に、他社が依頼を断るなかで「私たちが引き受けます」と手を挙げ、冷凍車を自ら開発して国産第一号の冷凍輸送車を走らせました。「社会の役に立ちたい」という信念のもと、これまで経営を続けてきています。何よりも、自分たちの力で北海道の美味しいものを九州に届けたり、九州の特産品を北海道に、旬の時期に品質を保って届けられるのは、私たちが日々丁寧に配送を行っているからだという自負のもと、信念と誇りを持って仕事をしているので、もし興味があれば、ぜひ応募していただきたいなと思います。
渡辺
やっぱり働いていると良いことばかりではなく、大変なことや困難な課題も出てくることがありますが、できるだけ私たちも課題をなくして、もちろん全くゼロにはならないけれども、少なくしていければいいなと思っています。この会社を50年、100年と継続していくためにさらに発展できるよう、努力していきたいと思っているので、この会社の未来を一緒に作ることにぜひ加わってもらいたいですね。
三本松
これまで、DXや省力化といった話題が挙がりましたが、今回センターが新しくなり、会社も合併して、再スタートを切ったところです。ある意味、第二創業期みたいなものかもしれません。今後は倉庫への保管量がさらに増加すると想定し、事業規模の拡大を見込んでいます。これからは、より多くの方々の知恵や力が必要になってくると思います。仕事をしていく中で、楽しいことも大変なこともあると思いますが、自分たちの手で会社を大きくしていきたいと考えています。ぜひ札幌定温運輸に飛び込んでいただき、力を貸してください。
浦田
最後は、もう一言だね。「一緒に成長していこう!」これに尽きるね。

※掲載内容は2025年10月時点のものです。